「サウスパーク」シーズン20第2話が笑えなくて怖くて痺れる
先日大はしゃぎで第1話の話をしました。が、今回はちょっとずーんとしてます。夜寝る前にみるべきじゃなかった。いや、もちろん笑えるシーンもあるんだけれども、ずーんとしてます。
今回の個人的に気になった要素はこんな感じ
- 夜な夜な元気に荒らしを行うKyleの父Gerald Broflovski
- ツイッターアカウントの削除は自殺、ガジェットを壊すのは殺人
- サウスパーク版女の平和
・夜な夜な元気に荒らし活動
前エピソードではバレーボールチームの女子たちへの中傷ツイートが問題視され、Cartmanがそのツイート主(Skunkhunt42)ではないか...?と周囲から指摘されていました。しかーし、最後の最後に荒らし・釣り行為を行なっているのがKyleの父Gerald Broflovskiであることが明らかに。
今回のエピソードではそんな彼がいかに荒らし・釣り・中傷行為をエンジョイしているかが懐かしのロックナンバーをバックに表現されています。
物語の冒頭で「Internet Troll(ネットで荒らし行為をする人)はモンスターでありpredator of societyだと言われているわけですが、Gerald Broflovskiはごくごく平均、それどころか平均以上に穏やかにみえる人物。そんな彼が穏やかでいるためには、夜中の悪質な行為が必要なようです。どういう経緯で荒らし行為を始めたのかについてはまだまったく不明なので今後に期待。
・ツイッターアカウントの削除は自殺、ガジェットを壊すのは殺人
今回のエピソードではSNSに命をかけてる人々への揶揄がぎっしり詰まってます。
一人の女の子が橋の真ん中で佇み、下に流れる川の流れを見つめながら思い詰めた表情をしています。女の子を写している映像はゆっくりと上に移動し、しばらくすると女の子の姿はみえなくなってしまいます。そして、しばらくすると何か重いものが水の中に落ちていく音が...。
というようなシーンがあって「自殺しちゃったの....!?」と思いきや、彼女は単にスマホを捨ててツイッターのアカウントを削除しただけでしたというオチが。彼女のお友達はまるで本当に彼女が自殺したかのように、ツイッターアカウントの削除を重く捉え、SNS上の彼女の思い出を語り、失った存在を嘆きます。
彼女が目の前にいるのにSNS上の死を嘆いているという滑稽なシーン。なんだけれど、しばらく考えてみると割とリアルなシーンじゃないかと怖くなってきます。というのも、おそらくわたしがFacebookアカウントを削除したら、オンライン上でしか連絡を取れない友達との繋がりは失われてしまうはずだから。わたしが投稿やいいね!をしなくなれば、彼らにとって自分は存在しないも同然かもしれなくて、逆にわたしが死んでもSNSが普通に動いていれば死んでいることに気づかない友達もいるはず。そう思うとSNS上の自分が死んだことを嘆く友達がいるのは決しておかしくはないのかも。こんな変なことを考えて恥ずかしげもなく文章にさせてしまうエネルギーをスパークさせるサウスパーク。やっぱり大好きだ。
・サウスパーク版「女の平和」
ブラック・ホークダウンのサウンドトラックをバックに、アリストファネスの「女の平和」的な一幕もあります。サウスパークエレメンタリースクールの女の子たちは、男性に抑圧されている現状に不満が爆発、彼氏に永遠の別れを告げる手紙を次々に渡していきます。エマ・ワトソンのスピーチなんぞ何のその、思いっきり男vs女の構図が出来上がってしまったサウスパークエレメンタリースクールはどうなるのか。
こう並べてみるとなかなかシリアスな内容ですね。以前の記事で書いた通り一話完結型のコメディーアニメからは完全に脱皮しつつあるサウスパーク。超わくわくする。
個人的なハイライトは、kyleのお父さんのノリノリネット荒らし活動シーン。ぜひみんな見てみてくだされ!